SCENE9. かおあわせちょくぜん。おーぶへん。
「今日ザフトとの方のメンバーと会うのよね?!楽しみ!」
「楽しみって、何がよ?」
「何って決まってるじゃない!ザフトの生徒会メンバーっていえば、美形ぞろいで有名なのよ!」
「…………相変わらずね」
「ねえサイ。フレイがあんなこと言ってるけど、いいの?」
「仕方ないだろ。フレイなんだし」
「理由になってないよ」
「いいんだよ。それよりキラ、お前の方こそホントにいいのか?」
「え?あ、例の件?だってもう決まっちゃったんだし、向こうも承知したんでしょ?」
「まあそうだけど」
「だったら何を言っても無駄なんだよ。大体さ、本人がものすごい乗り気だったし……」
「なるほど……じゃ、問題はあっちだけか」
「だね。むしろあっちの方が問題だよ」
「ねえねえミリィ。さっきからあの2人、怪しくない?」
「ホント。何か隠してるみたいだけど……」
「聞いてみよっか?」
「……どうせ聞いても教えてくれないわよ。あの様子じゃ」
「えー、でも」
「だったらフレイが聞いてみればいいでしょ。フレイが頼めばサイも教えてくれるんじゃない」
「あ、そうよね。じゃあ早速」
「でもサイが落ちてもキラが止めると思うけど」
「じゃあやっぱりダメじゃない!」
「そうね。でももしかしたら、もうすぐ分かるかもしれないわよ」
「え?」
「だって、多分劇のことでしょ、あれ?」
「ええ?!」
みりぃのどうさつりょくにおどろきのふれいでした。
SCENE10. かおあわせちょくぜん。ざふとへん。
「ホントにいいんですか、会長」
「今更何言ってるんだ、アスラン?いいも何も、先方はちゃんと了承してくれたんだぞ?」
「……確かにそうですけどね。でも何もそうまでしなくても」
「仕方ないだろ。うちは男子校なんだ。それともお前が女役やるか?」
「なななななんでオレなんですか?!」
「いや結構似合いそうだし」
「………………」
「……だそうですよ、よかったですね、イザーク」
「何がいいんだ、何がっ!」
「だって知らない人と演技するのは嫌なんでしょう?だったらアスランが相手役になってくれれば」
「もっと嫌だっ!」
「我がままですねえ……」
「うるさいっ!大体なんで、お前たちがやらないんだ!」
「女役ですか?そりゃやれと言われればやりますけど」
「やらんでいいっ!第一オレが言いたいのはそういうことではないっ!」
「あーはいはい、分かってますよ。何で自分があんな役なのか、ですよね?」
「分かってるなら言わせるなっ!」
「仕方ないでしょう、厳選なるくじ引きで決まったんだし」
「会長が適当に作ったあげく、本人不在のまま引かれたくじのどこが厳選だ!」
「何だ知ってたんですか。ならあきらめてください。それが運命ですから」
「ななななにを言うんだ貴様ー!!」
「……やれやれ。何でボクがイザークのお守りなんですか……」
「おやおや、あっちは楽しそうだな」
「……貴方にはそう見えるんですか、あれ」
「イザークのお守りはディアッカにしか向かないと思っていたが、意外とニコルもやるじゃないか」
「そう思うなら最初からディアッカにやらせればよかったじゃないですか」
「仕方ないだろ。アイツには仕事があったんだし」
「そっちの仕事こそニコルにやってもらえればよかったんじゃあ……」
「ダメだ。そうするといろんな意味で面白味がなくなるだろ」
「面白味って……」
いまさらとはおもいながらも、かいちょうのせいかくにぎもんをもったあすらんでした。