SCENE7. おとなしいほどこわいのです。
「……で?話って何よ?」
「うーん、何から話せばよいのやら」
「ふざけないでよ、サイ!」
「いや別にふざけてるわけじゃ。……まあいいか、詳しい話はキラに聞いてくれ」
「えー、やりたがったのサイだろー?」
「俺はフレイに怒られるのはゴメンだからな」
「何よそれ!」
「そんなのボクだって同じだよーフレイ、怒ると怖いしー」
「だよなあ」
「……ってアンタら、いい加減に……っ」
「…………私、帰ろうかな」
「え?」「ミリィ?」「何で?」
「何か私には関係ない話みたいだし」
「え、いやそんなことはないって」
「ミリィにも関係おおありだよ、ね、サイ?」
「そうそう」
「そうなの?じゃあちゃんと話して」
「え」
「話して、サイ」
「………………はい」
おねがいするときには、しずかにめをみてしましょう。
SCENE8. いちどやってみたかったのです。
「えーと、実はさ。今度、隣の学園と合同文化祭をやるってことは知ってるよな、二人とも?」
「ええ、もちろん」
「学園中の噂だもの、知ってるに決まってるじゃない」
「よしよし。で、そこで俺たちと向こうの生徒会メンバーで、出し物をやることになったんだ」
「出し物というか、劇なんだけどね」
「……劇?」
「へー、すごいじゃない。何やるの?」
「良くぞ聞いてくれました、では発表いたしましょう!」
「ちょっと、サイ!なんかキャラ変わってるわよ?」
「いいだんだよフレイ。あれ役作りの一種だから」
「ええ?!」
「こらキラ!勝手なことを言うんじゃない!えーと、劇の題名は……『夢幻のリバイヤス』だっ!」
「………………」
「……………………」
「ん?何か反応寂しくないか?もっと驚いたりしないのか、二人とも?」
「だって……ねえ?」
「うん」
「……ま、いいか。つまりそういうことで、俺が主役をやるはめになったわけだけれど」
「ボクは弟君ね。いいかげんにしろよ、クソ兄貴っ!……なんて」
「うまいぞ弟!あー、それで、つまりだな」
「?何よ?」
「何じゃないわよ、フレイ」
「え?」
「理由はひとつしかないじゃない」
「え……って、まさか!」
「そのまさかなんだな、実は」
「えーヤダ!絶対にイヤ!」
「そんなこと言うなって、フレイ」
「そうそう。ちなみにフレイはヒロインなんだぞ?」
「え、ヒロイン?ホントに?」
「ああ、そうだ」
「……ヒロイン……どうしようかなあ……」
「フレイは落ちるのも時間の問題だね。ミリィはどうする?」
「どうするも何も、フレイがやる以上、私に選択権はないでしょ?」
「えー、そんなことないよ?」
「だって誰がフレイのフォローするのよ?」
「サイがいるじゃん」
「……サイじゃフレイを甘やかすだけでしょ」
「ミリィ……それはあんまりじゃ。ま、当たってるけどね」
「でしょ。だからやるわよ、仕方ないし」
「……実は楽しんでたりする?」
「さあ、どうかしら?」
というわけで、げきをやることになりました。