SCENE3.それからいろいろありまして。
「ミ、ミリアリア!俺と付き合ってください!」
「 イヤ」
「え」
「冗談よ」
「 !!」
こうして、ふたりははれてこいびとになったのでした。
SCENE4.はじめてのでーとはすいぞくかんで。
「わ、悪い、遅れたっ!」
「………………」
「ミ、ミリィ……あ、いや、ミリアリアさん」
「………………」
「チコクシテモウシワケアリマセンデシタ」
「何その棒読み」
「え、あ〜……その、ほんっと、悪かった」
「まあいいけど。けど、ディアッカって、結構時間にルーズよね」
「え」
「初めて……じゃない、2度目か。2度目に会ったときも、遅刻してきたじゃない」
「2度目って……あの合コンか。あの時は委員会があったんだよ。学級委員会」
「え?ディアッカってクラス委員だったの?」
「そんなに意外か?」
「うん、意外」
「…………がくっ」
「ご、ごめん」
「……まあ、別にいいけど。それより、どこから行く?」
「う〜ん、そうね、やっぱりペンギンかな?」
「ミリィらしいな」
「そう?」
なかむつまじいふたりでした。
SCENE5.どうじつ・どうこく・ぼうばしょにて。
「今日あいつら初デートだっけ?」
「そう言ってましたが」
「うまく行ってるといいが」
「そうですね」
「……お前、実は怒ってねぇ?」
「別に怒ってませんよ。アイマン生徒会長」
「…………やっぱり怒ってるんじゃねえの、アーガイル君」
「怒ってませんってば。ミリィがどこの馬の骨と付き合おうと、俺には関係ありませんよ」
「だからそれを怒ってるというんだ。もしくはヤキモチか?」
「…………言っておきますけどね。ディアッカからミリィらしき女の子のことを聞いて、フレイに何だかんだ理由をつけていいから、ミリィを合コンに連れて行け、といったのは俺ですよ?」
「そういやそうか。なら…………いや、なんでもねえ」
「懸命な判断です。俺は別に貴方がフレイに合コンの主催をさせたのが気に入らない、というのは口が裂けても言いませんよ」
「……言ってるじゃねえか」
「ただの独り言です。聞き流してください」
「………………」
「……なんかここの空気寒いんだけど、気のせいかな?」
「たぶん気のせいじゃないと思うが……そこは触れないほうがいいと思うぞ、俺は」
「んじゃそうする。それより、2枚目の資料だけど」
「あ、ああ…………ないな、ということは……あっちか」
「あっちって、ああ。じゃあ聞いてくるよ」
「っておい、キラ!」
「おーい、サイ。そっちにこの資料、ない?」
「え、ああ。ちょっと待ってな。……これか?」
「ありがと」
「いや」
「………………」
「ん?何、アスラン?」
「……いや、お前って……いや、何でもない」
「…………?……変なアスラン」
くうきをよんでいるようでいてよんでいないひとはさいきょうです。
SCENE6.ふたたびすいぞくかん。
『本日15時より、ホールにてラクス様のミニコンサートがあります。皆様よろしければご観覧くださいますよう』
「ラクスってクライングループのお姫様か」
「そうよ。この水族館のオーナーの一人娘。でもそれを鼻にかけたりしない、すごく可愛い人よ」
「やけに詳しいな」
「そりゃそうよ。……これは内緒の話なんだけどね、そのラクスさんと私の友達が付き合ってるの」
「えええぇ?!」
「ちょっと、声が大きいわよ!」
「わ、悪い」
「そんなに驚いたの?そうよね、ラクスさんっていえば深窓の令嬢って感じだし」
「…………いや、違う」
「え?」
「驚いたのは、そっちじゃなくて」
「じゃあ、何」
「ミリィの友達が、ラクス嬢と付き合ってるってことは、その友達ってのは男なんだろ?」
「そりゃそうよ。女の子だったら怖いじゃない」
「…………じゃなくて」
「?」
「ミリィに男友達がいたってことに驚いた、っていうか、……単に、その」
「ヤキモチ焼いたの?」
「…………だと、思う」
「 バカ」
はたからみるとほんとうにばかっぷるなふたりでした。