ポチッ。ガチャッ。ウイーン。
SCENE1.であいはおやくそくで。
タタタッタタタッ。チリリリンチリリ。
「きゃっ!」「うわっ!」
――――キキキィーーーーードスン!
「あいたたた……」
「ててて……」
「(ハッと気が付いて)あ、大丈夫でしたか?」
「え、ああ、俺は平気。そっちは?」
「大丈夫です」
「そっか、よかった。けど、ごめんな。ビックリしたろ?」
「ハイ。……あ、いいえ。こっちも不注意でしたから」
「う〜ん、けどなあ……あ、そうだ、キミ、オーブ学園の子だろ?送ってってやるよ」
「え?いいです、そんな」
「遠慮すんなって。どうせ隣同士なんだし。ほら、乗った乗った」
「そうですか?……じゃあ、遠慮なく」
これが、ふたりのはじまりでした。
SCENE2.もつべきものはともだち?
「ミリアリア、今日隣の学校と合コンするの。参加しない?」
「……合コンって……フレイ、貴方彼氏持ちでしょ?」
「彼氏じゃなくて、親が決めた婚約者、よ。そういうのうんざりなのよね。サイはキライじゃないけど」
「だからって」
「私のことはいいの!アンタはどうするの?行くの、行かないの?!」
「……私、あんまり気が進まない」
「分かった、参加ね」
「フレイ!」
「いつまでも引きずってたってしょうがないでしょ」
「別にそれが原因なわけじゃ」
「じゃあやっぱり行くべきじゃない」
「…………(何なのその理屈は)分かった、行くわ」
「OK!んじゃ、あっちにも連絡しとくわね」
「あっちって?」
「向こうの主催者!ミゲルっていうのよ」
「………………ああ」
「えーと、まずは軽く自己紹介ってことで」
「ハイ!」
「じゃあそちらから」
「フレイ、15歳。好きなタイプは真面目で一途で、どこかナイーブな人!顔がよければなお最高!」
「おっ、積極的だね〜んじゃ次はイザーク」
「イ、イザーク・ジュールだ!年は17、以上だっ!」
「……ってもうちょっとなんか言えよ」
「何かって何ですかっ」
「いや例えば好きな女の子のタイプとか……」
「そんなものはいないっ!」
「…………おいおい。ま、いっか。んじゃ次の子……」
「…………………」
「えーと。もしもし?」
「ミリアリア、アンタの番よ!」
「え?あ、ああ、ハイ。私は…………」
ダダダダ、バタンッ。
「――――?!」
「悪いっ、遅れた!」
「遅いぞディアッカ!」
「だから悪かっ……たって、何でイザークがここに?」
「貴様が遅れるからだっ!」
「は?」
「いやー、急に決まったもんで、中々頭数そろわなくてね、で、たまたま近くにいたコイツ引っ張ってきたってわけ」
「はあ、そッスか……」
「そうそう、でもまだ始まったばかりだから。ちなみにこの子はフレイちゃんね。今回の向こうの主催者」
「あ、それはそれは、どう……も?!」
「…………………」
「あれ?2人とも知り合い?」
「え?私は会ったこと…………え?もしかして」
「あー、その」
「……お久しぶりです。その節はどうも有難うございました。おかげで遅刻せずにすみました」
「え、あ、ああ。ホント、久しぶりというか、なんというか。まさかこんなところで会えるとは……」
「今日は友達に無理やり誘われたんです」
「ちょっと、ミリアリア!」
「あー……そ、そうなんだ、けど」
「でも」
「え?」
「でも、ちょっとだけ、来てよかった……かもしれません」
「え、それって?」
「本当にちょっとだけですけどね」
「……あ」
2どめのであいはこんなところで。ぐうぜんとはおそろしいものです。