『ハロウィンパーティーのお知らせ』
それは、突然のメール。
ディアッカは訝しげな表情を浮かべた。
(一体何なんだよ、これ)
ハロウィンのことは、ディアッカももちろん知っている。
10月30日に行われる、お祭りだ。
そしてその時にパーティーが行われる、というのもわかる。
けれど、解せないのはその内容と、差出人。
“10月30日に某場所にてハロウィンパーティーを開催します。皆様ふるってご参加くださいますように”
“ラクス・クラインより”
メールにはこう書かれていた。
ラクス・クライン。
現在プラントの最高評議会議長を務める彼女とは、上司と部下である前に、色々あって友人関係……とまではいかないが、友人の友人、くらいの関係だ。
ごくたまにであるが、個人的なメールを受け取ったこともあるし、プライベートで相談ごとを持ちかけたこともある。
だから、このメールが来たこと自体は、おかしくはない。
おかしくはないが、しかし。
(この文章が、なあ……)
あまりにも簡潔すぎる。
詳しい場所も、時間も、内容すらも書いてない。
それが一体何を意味するのか。
(………………)
とりあえず、メールをもう一度チェックする。
当たり前だが、書いてある内容は変わらない。
と、すると、考えられるのは。
「…………何か、企んでる、か?」
十中八九間違いない。
何か、は分からないが。
多分とんでもないことなのだろう。
返事をしたが最後、有無を言わさず引き込まれるのは必死だ。
けれど。
(しなかったらしなかったで、なあ)
もっと面倒なことになる。それは確実。
無論、行けないと言っても同じこと。
仕事を理由にすればどうにかこうにか手を回して行けるようにするに決まってる。
それ以外ならそちらを断れと言うだろう。
『……もちろん、来て下さいますわよね?』
……ぞくり。
一瞬、メールの向こうにラクスの微笑が見えた気がして、ディアッカは背筋にひやりとするものを感じた。
やんわりと、穏やかに。
それでいて、有無を言わさぬ微笑。
どう転んでも、選択の余地はない。
ならば、とるべき道は、ひとつ。
「…………はあ。やれやれ」
髪をかき上げ、ため息を1つ。
仕方ない。
覚悟を決めよう。
鬼が出るか、蛇が出るか。
そんなことを考えながら、キーボードを叩く。
そして、出来上がったメールは。
“お誘いありがとうございます。ぜひ参加させていただきます”
“ディアッカ・エルスマン”
送られてきたものと大差ないほど、簡潔なメールだった。
見直すこともないようなそれを、それでもざっと確かめて、送信ボタンを押す。
程なくして。
ディアッカのもとに、予想もつかないメールが届いたのだった――――。
着せ隊プレゼンツINハロウィン企画小説第二弾。というか、これが最初にアップしたもの。
隊員+αの皆様に捧げた小説(といっても日記にアップ)したものに、加筆修正しました。
といっても大した修正してませんけど;
ちなみにディアッカがラクス様の相談したってのは、『あなたと私と』のネタですwwww
しかしこれ、何話まで続くか本人にも予想できておりません(またか)。
“0”含めて4話なら一週間更新でいいんですけど、それ以上になったら、間に合わない( ̄□ ̄;)アーウー
とりあえず、頑張ります。